【SaaS業界】インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは

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この記事では、IT営業の組織体制に欠かせないインサイドセールスについて概要を解説します。

インサイドセールスの概要

インサイドセールスは、大きく分けて3つの役割が存在します。以下3つの役割は、企業によって必要性が異なります。まずは「インサイドセールスにはどんな役割や業務があるのか?」をイメージしてみてください。

役割①SDR(Sales Development Representative)

SDRは、マーケティング活動によって獲得した見込み顧客(以下、リード)の個人情報(企業名や連絡先などの名刺情報)を受け取り、電話やメールを使ってアプローチをし、商談アポを獲得するポジションです。

サービスページへ問い合わせをしてきた企業や、ウェビナーなどのイベント参加者へアプローチすることで商談を作り出す役割です。私が所属している医療系SaaSベンチャーではSDRを主とするインサイドセールス部門があり、日々、商談アポが各営業メンバーへ供給されます。

SDRは組織全体の生産性を担う、非常に重要なポジションです。

役割②BDR(Business Development Representative)

BDRは、バイネームでターゲット企業を選定し、戦略的に商談獲得を狙うポジションです。

例えば事業の特性上、ターゲットが大手で社数が少ないなどの場合、やみくもに電話をするなど量で勝負するのではなく、ターゲット企業ごとにアプローチの戦略を立てながらアポ獲得を目指します。

先述したSDRは中小企業や新興企業群をターゲットとする場合が多く、BDRは大手企業をターゲットとする場合が一般的です。

役割③Online Sales

Online Salesは、非対面で成約まで完結させるポジションを担います。

コロナ禍を経て、Zoomなどのオンライン会議ツールを用いて仕事を進めることは当たり前になりました。営業活動もオンライン商談で代替できるケースが増えてきたため、インサイドセールスの新たな役割の一つにOnline Salesが加わりました。

以上、インサイドセールスの主な役割とその違いについてまとめました。

冒頭で「企業によって必要性が異なる」とお伝えしましたが、一般的にはSDRを主な役割とするインサイドセールスがほとんどです。理由としては、大企業より中小企業が多い(国内の99.7%が中小企業)のと、オンライン商談はフィールドセールスの役割とする営業組織の方が多いためです。

インサイドセールスを経験する3つのメリット

本質的な営業スキルが身に付く

SDRやBDRなど役割が異なったとしても、インサイドセールスに求められるのは「適切な顧客を、適切なタイミングで、アポイント獲得すること」です。つまり「とりあえずアポを取ればいいポジション」ではないということです。

これには顧客の事業理解や課題の把握、自社サービス導入後に成果創出できるかなどの深い知識と状況判断が必要になります。これを日々行う中で、目の前の顧客課題をヒアリングし、整理し、提案することができる営業スキルが身につきます。

キャリア転換しやすい汎用性

インサイドセールスは、マーケティング部隊やフィールドセールス部隊と密接に関わりながら業務を行います。そのため「どのようなリードならアポ率が上がるか?」や「どのようなリードからアポ獲得したら受注率が上がるか?」など業務の解像度が高くなります。なぜなら顧客の生の声に触れ続けるポジションだからです。

こういった業務解像度の高さは部署異動したあとにも活用できる汎用性の高いスキルや経験のため、様々なキャリアパスを実現しやすくなります。

柔軟な働き方が実現可能

基本的に、インサイドセールスは働く場所を選びません。地方にいても、在宅でもどこからでも働くことができます。つまり、自身のライフイベントに柔軟に対応することができるため、結婚や出産などを機にブライダル業界から退職・転職する方で、インサイドセールスへと転身するケースも多いです。

当然、入社後の研修期間であったり、企業ごとのインサイドセールス部隊の方針によっては出社義務が生じることもあります。ただ基本的にはパソコンとネット環境、スマートフォンがあれば業務自体は可能なため、在宅メインで働ける環境を探すことはさほど難しくはありません。

インサイドセールス求人の注意点

インサイドセールスの募集求人は、比較的「未経験OK」のものが多くあります。その点もブライダル業界からインサイドセールスへ転身しやすい理由の一つです。

一方で、インサイドセールス求人を検討する上で注意すべき点が1つあります。それは「インサイドセールスという名の”テレアポ部隊”ではないか?」に注視することです。

近年、インサイドセールス職の注目度が上がったことにより、募集求人に”インサイドセールス”と表記するものが増えてきました。確かにインサイドセールスは電話やメールを活用して、アポ獲得を目指します。しかし、自社で保有するリードへ片っ端から電話営業することはインサイドセールスではありません。

もし、いいなと思ったインサイドセールス求人があったなら、「どのようにしてマーケティングチームがリード開拓しているか?」をチェックしましょう。

こんな企業は要注意

・サービスサイトに導入事例が少ない

・サービスサイトで資料DLはできそうだが、資料が欲しいと思う仕組みがない

・定期的にウェビナーなど実施していない

・またはそういった情報が発信されていない

このような場合、マーケティングチームがない、もしくは機能していない可能性が大いにあるので、SDRの役目はほとんどありません。つまりテレアポによって自ら案件創出することがメインの業務になります。

有効なリードが不足している場合、テレアポで案件創出するのもインサイドセールスの業務の1つです。そのためテレアポ業務を否定しているわけではありません。ただ、入社前のイメージとのミスマッチを防いだり、インサイドセールスとしての専門性を磨きたい場合には、上記のような企業は避けるべきです。

まとめ

以上、インサイドセールスの3つの役割やインサイドセールス職を経験することで得られるスキルや経験、インサイドセールス求人の注意点についてご紹介しました。

インサイドセールス3つの役割

①SDR:問い合わせなどからアポ獲得する

②BDR:戦略的にターゲット企業からアポ獲得する

③Online Sales:非対面でアポ〜成約まで完結させる

私はこれまで4社、様々な業界の企業を経験しました。その中で、インサイドセールスという部署名はついていたものの「実態はただのテレアポ部隊」といった現場も見てきました。

こういったミスマッチも防いでほしくて、最後はインサイドセールス求人を見極める上での注意点についても言及しました。

ただきちんとマーケティング部隊がいて、適切なインサイドセールスチームを組成している企業も当然ありますので、ぜひその辺りは企業リサーチをしたり、転職面接の場などで直接聞いてみてください。