この記事では、バーティカルSaaSの概要について解説します。
バーティカルSaaSの概要
バーティカルSaaSについて知らない方向けに定義や代表的な企業例を紹介します。
バーティカルSaaSの定義
バーティカルとは「垂直」という意味で、特定の業界やセクターに特化したSaaSを提供する企業・サービスのことをバーティカルSaaSと区分します。
こちらは業界特化のSaaSなので、例えば製造業界、建設業界、医療業界、不動産業界、、、と業界特有の問題に対するソリューションとしてSaaSを提供します。
なお、筆者はバーティカルSaaSの経験が最も長いです。これまで不動産業界向けSaaS、医療業界向けSaaSを提供するSaaS企業にて、営業職として働いてきました。
バーティカルSaaSは業界に特化する分、顧客課題の解像度を高めたり、顧客課題の深掘りをする必要があり、またそれを自社サービス・プロダクトに反映させていく部分に、筆者自身はやりがいを感じています。
代表的なバーティカルSaaS企業
・製造:カミナシ(業務改善プラットフォーム)
・建設:ANDPAD(施工管理アプリ)
・不動産:WealthPark(不動産オーナー・管理会社の業務支援システム)
・医療:ユビー(AI受診相談システム)
・保育:コドモン(業務支援ツール)
・卸売・小売:FULL KAITEN(在庫分析クラウド)
・教育:atama+(eラーニング)
・EC:ecforce(ECカート)
・娯楽:アソビュー(施設データの収集・分析) etc…
バーティカルSaaSの価値
バーティカルSaaSは特定の業界や業種に特化して、深い課題を解決するために提供するソフトウェアサービスです。ベンダーとユーザーそれぞれにとって、どのような価値を生んでいるのか見ていきましょう。
SaaSベンダー(提供者)側にとっての価値
①ニッチ市場での強固な地位:特定の業界に深く根差した製品を提供することで、競争が少ない市場での強固な地位を築くことができます。
②高い顧客ロイヤリティ:業界特有のニーズに対応するカスタマイズされたソリューションを提供することで、顧客の満足度とロイヤルティを高めます。
③製品差別化とイノベーションの促進:業界固有の問題に対する専門的な知識を活用し、製品の差別化とイノベーションを推進することが可能です。
SaaSユーザー(消費者)側にとっての価値
①業務効率化:業界固有の課題に対応する機能により、業務プロセスをより効率的に管理し、生産性を向上させることができます。
②データ化によるDX推進:既存業務がデジタルに置き換わることによって、データ収集が容易になり新たな事業創出のチャンスを生み出すことができます。それがDXを推進することに繋がります。
③専門的なサポートとアドバイス:業界に精通したベンダーからの専門的なサポートとアドバイスを受けることができます。
まとめ
簡単ではありますが、バーティカルSaaSの定義や代表的なバーティカルSaaS企業、バーティカルSaaS企業の付加価値などをご紹介しました。
私自身がバーティカルSaaSに長く携わっていることから、その仕事の奥深さややりがいの大きさはよく知っています。顧客の業務内容や困りごとの解像度の高さが問われるのがバーティカルSaaSの一つの特徴です。参考になれば幸いです。
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