【実体験】ウェディングプランナーは激務?大変な仕事である10の理由

ウェディングプランナー 激務 大変 忙しい

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ある日、Googleで「ウェディングプランナー」と入力すると、予測変換で『ウェディングプランナー 激務』と出てきました。

華やかな仕事である反面、その実態はどうなのか? きっと気になりますよね。

私は約6年、ブライダル業界で勤務しウェディングプランナーの仕事をしてきました。

その実体験を交えて、ウェディングプランナーが激務と言われる理由やその実態をまとめてみました。

ウェディングプランナーを目指している方
ウェディングプランナーとして活躍し始めた方
ウェディングプランナーの将来に悩む方

そんな方にとって、この記事がウェディングプランナー業務の理解度が上がったり、キャリアにおける視野が広がるなど参考になれば幸いです。

ウェディングプランナーが激務と言われる10の理由

ウェディングプランナーという仕事はどのような点が激務なのでしょうか。

そのように言われる理由を心と体の両面からまとめてみました。

以下は一般的によく言われる理由です。

ウェディングプランナーが激務・大変と言われる精神的な理由

ウェディングプランナーが激務・大変と言われる精神的な理由

精神的な辛さやしんどさは目に見えないため、他人はもちろん、自分でも気づかない場合もあります。

具体的に、ウェディングプランナーはどのような場面で精神的に激務だと感じているのでしょうか。

些細な失敗も許されないプレッシャー

多くの新郎新婦は何度も結婚式を挙げるわけではありませんし、そもそも結婚式は1点ものです。

同じ日に、同じ時間で、同じ顔ぶれと、同じ時間を共有することは2度とできません。

だからこそ新郎新婦は結婚式の1日にたくさんの思いを馳せ、その思いがウェディングプランナーにとってのプレッシャーに変わるのです。

要するに、新郎新婦の期待値を下回ることによってクレームを起こしてしまわないか…と不安を感じるわけですが、残念ながら私は新郎新婦に残念な思いをさせてしまい、クレームをいただいたことがあります。

そのようなご迷惑をかける中で、同じ失敗をしないためにも以下のような対策を講じてきました

 クレーム例対策・解決策
レスポンスが遅い
(メール返信など)
・メール対応の時間をルール化して一気に対応
・返信が遅くなる旨を顧客へ事前に共有する
・同僚に根回しをし、代理で返信してもらう
・どうしても返信できない日は電話してもらう
企画演出の提案をしてくれない
こちらの意図を汲んでくれない
・他プランナーの進行表から提案の引き出しを増やす
・自分の担当結婚式へフィードバックをもらう
・新郎新婦の譲れないポイントを誰よりも理解する
・新郎新婦をとことん好きになる
・2人に寄り添いつつ、プロとしての意見を提案する
打合せや準備進捗の遅れ・一般的に遅れがちなToDoを把握
・進捗が遅れた原因と対策を振り返って言語化
・どの段階でどんな声掛けをすべきかルール化
・新郎新婦にとっての優先順位を把握する
会話や対応など相性が悪い・笑顔や相槌、傾聴など心地良い対応を行う
・まずは社内の会話を見直す
・DiSCを意識したコミュニケーションをとる
・新郎新婦の好きなものを経験する
(好きなアニメを次回打合せまでに観るなど)
出席ゲストへの対応・咄嗟の時こそ素の自分が出るため、
丁寧な言葉遣い・所作を日頃から意識する
・お客様 > 社内・スタッフを徹底する
(お客様ファーストの意識)
・お客様の前では社歴は関係ないと考える
・社内でできないことは社外でもできないと考える
想定外のクレーム・先輩プランナーの失敗事例を集める
・その原因と対策をヒアリング
・予め、同様のクレームが起きないよう実践する

お客様が発する1つのクレームの背景には、口には出してこなかっただけの10や20の小さなクレーム・違和感が隠れているものです。

つまり小さな不信感の積み重ねが膨れ上がった結果、お客様を悲しい思いにさせてしまうもの。

確かにプレッシャーの大きな仕事ではありますが、そのプレッシャーの正体を噛み砕けば、予めの対策を用意することができます。

中長期にわたる顧客対応

結婚式場を決定し、結婚式当日を迎えるまでの日数は平均して6〜10ヶ月ほどでしょうか。

右も左も分からない新郎新婦をリードして、無事に式当日を迎えられる状態にもっていくことが求められます。

結婚式準備に前向きでない新郎をモチベートしたり、遅れがちな結婚式準備の進捗を管理する必要もあります。

前述したレスポンスを早くするなどの工夫や、DiSCを意識したコミュニケーションを取るなど対応力を磨くことで精神的な辛さや大変さを克服したいものです。

顧客満足と売上ノルマ

新郎新婦の叶えたい結婚式像と、会社から求められる売上ノルマの両立に苦しむケースもウェディングプランナーあるあるでしょう。

結婚式はこだわりたいが、予算は抑えたい。誰もがそう思います。

一方で、ビジネスとして式場運営をする以上、売上は欠かせません。売上がなければ未来の新郎新婦を悲しませることになります。

この顧客満足と売上ノルマの狭間で苦しむウェディングプランナーの話もよく聞きます。

この場合、売上に対する認識をまず変えることが大切です。

お客様は期待を上回る価値を感じれば、お金を支払うことは妥当だと思ってくれます。

事実、私は過去に10万円するビデオ記録撮影の商品を提案し「あの時ビデオ撮影をプッシュしてくれてよかった、ありがとう」と新郎新婦から感謝されたことが何度もありました。

この経験から「自分が価値を感じない商品は売らない。その代わり価値を感じる商品は必ず提案する」と心に決めました。

そして売上とは商品価値が伝わった証であると思うようになり、それからは顧客満足と売上ノルマに苦しむことは無くなりました。

労働に対する給与の低さ

一般的にブライダル業界の給与水準は高くありません。

以下はdodaの記事を参照した平均年収ランキングです。

冠婚葬祭の平均年収

10のカテゴリ中、サービス業の平均年収は9位とのこと。1位の金融業と比べると約100万円の差があります。

前述したようにプレッシャーを感じる仕事であるものの、低い給与水準で働くことに辛さ、しんどさを感じる人が多いようです。

実は「仕事のやりがい・スキルの高さ」と「平均年収」はイコールではありません。

自分が在籍する業界と業種によっておおよその年収が決まってきます。

社員の給料は会社の利益から支払われます。そのため利益率の高い業界に属せば年収を上げることは可能です。

ブライダル業界やサービス業の場合、利益率が高くないため平均給与も低いのです。

じゃあ、具体的に利益率の高い企業への転職ってどうすればいいの?と疑問に思われた方は以下の記事をご覧ください。

社内の人間関係

最後は社内の人間関係で悩み、それと相まってその他の辛さ、しんどさからウェディングプランナーの仕事を激務だと感じるパターンです。

会社から課せられる売上ノルマがあり、新郎新婦のために…というプレッシャーを感じながら、長時間労働をする。

そんな環境下で社内の人間関係が思わしくなかったらかなりハードですよね。

一緒に頑張りたい、乗り越えたいと思える会社や社員がいなかったら1人で立ち向かうのはかなりキツイです。

よく「自分は変えられるが、他人は変えられない」と言われる通り、どうしても人間関係で悩む場合は部署異動のお願いをするか、転職によって働く場所を変えましょう

あなたを求めている会社はたくさんいるはずです。

ウェディングプランナーが激務・大変と言われる体力的な理由

ウェディングプランナーが激務・大変といわれる体力的な理由

続いて、体力的にしんどさを感じる理由を思い出してみます。

長時間労働

ウェディングプランナーをしていると、平日と土日では1日のスケジュールが全く異なります。

平日のスケジュール例

平日は発注業務や見積り作成などの事務処理や、土日の担当婚礼の準備がメインになります。

以下のようなシチュエーションの、ある日の月曜日のスケジュール例です。

・今週の土曜日に担当婚礼が1組(全打ち合わせ終了)
・再来週の日曜日に担当婚礼が1組(週末に最終打ち合わせ)
・3ヶ月後に結婚式を控えるお客様との打ち合わせが本日1組
・毎月3〜4組の婚礼を担当

時間仕事内容
9〜10時出社、メールチェック、朝礼、ミーティング準備
10〜12時週末の婚礼ミーティング・婚礼備品の確認
(進行イメージのすり合わせ、事前共有など)
12〜13時お昼休憩
13時〜打ち合わせ(結婚式3ヶ月後)
15時〜打ち合わせの事務業務(ペーパーアイテムなどのアイテム発注、進行表の更新など)
17〜18時週末の最終打ち合わせ準備(資料の更新、請求書の作成・検印)
18〜20時その他の打ち合わせ準備
20〜21時ごろ帰宅

直近1〜3ヶ月で何組の結婚式を担当するかによって業務量は増減します。

また一貫性 or 分業制や、結婚式当日にプランナー自身がアテンドをするか否かによっても1人が担当する組数が変わるため、忙しさの具合も異なります。

私の場合は一貫性で、アテンドもしていました。

そのため最大でも1ヶ月に担当は4組(稀に5組)ほどでした。

土日のスケジュール例

土日は担当施行の結婚式か打ち合わせが終日入っています。

前述したプランナーが土曜日を迎えた場合のスケジュール例をご紹介します。

時間仕事内容
7時半ごろ出社、新郎新婦のお迎え、会場準備、挙式リハーサル
10時半〜挙式スタート(30分)、アテンド、挙式後に親族写真など、新郎新婦を控室へ誘導
11時半〜披露宴スタート(2時間半)、アテンド
14時披露宴おひらき、ゲスト見送り、新郎新婦を控室へ誘導
14〜15時披露宴の片付け・控室の掃除、新郎新婦のお見送り
15〜16時食事休憩、打ち合わせ準備
16〜18時打ち合わせ
18〜20時打ち合わせ
21〜22時ごろ打ち合わせの事務業務(発注業務や資料更新、打ち合わせ内容の履歴入力など)、帰宅

なお、担当婚礼がない場合は、打ち合わせを3〜4件+それらの事務業務で1日が終了します。

改めて土日のスケジュールを文字起こしするとハードな1日を過ごしていたなぁと思います(笑)

ブライダル・ウェディングプランナーの仕事=長時間労働になりがち、なのは否定できません

非常にやりがいのある仕事ではありますが、ウェディングプランナー=激務と言われる通り、体力的なしんどさは多少あると思います。

今はZoomなどのオンラインツールを併用したりデジタル化によって業務効率化を図っている企業もあります。

プランナー自身も「いかに少ない時間で、顧客満足度を上げられるか?」を追求することが、結果的にお客様のためになります。

土日は一定仕方ない部分もありますが、企業・個人の努力次第で長時間労働の問題は解決できるのではないでしょうか。

土日祝日に休めない

前述の通り、土日祝日で婚礼や打ち合わせを行うため基本的には休めません。

サービス業を志す以上、そこは覚悟しなければなりません。

とは言っても、閑散期には土日含め長期休暇を取ることも可能です。

年々、働き方を見直す流れになっていますし、個人的には人が少ない平日休みの方がどこに行くのもストレスが少なく嬉しかった記憶があります。笑

公休日に休めないことも

休みの日にお客様から直接問い合わせが入り、代理対応したスタッフから確認の連絡が入る場合があります。

こういった場合、休みの日に休んだ気になれず、その積み重ねで疲れてしまう…なんてこともあります。

ただし、これは仕事の仕方を変えることで防ぐことができます。

・公休日をお客様に事前に周知する
・自分以外にも対応できるよう情報共有する
お客様の疑問解消に日頃から努める
・毎回の打ち合わせで疑問を解消する などです。

「言うは易く行うは難し」ですが、前述した長期休暇取得中に仕事のことは考えたくないですよね。

上記の小さな積み重ねによってお客様に頼り甲斐を感じてもらうこともできますので、丁寧な仕事をコツコツ行っていくことが大切です。

案外、力仕事や移動が多い

引出物や婚礼備品(ウェルカムグッズなど)、会場設備のセッティングなどで物を持ったり移動させたり、力仕事が案外多いのもハードさを感じる要因の1つです。

最近は高砂テーブルをソファ仕様にすることも当たり前になってきたため、装飾を入れ替える回数も増えています。

女性の場合、同僚プランナーやサービススタッフの男性陣に上手に甘えることでこの仕事量を調整しましょう。

私も数々の高所に登り、重たい荷物を抱え、靴底をすり減らしてきました。笑

ただまぁ日頃の人間関係はとても良好で、かつ別の業務でたくさん助けてもらっていたので力仕事は当然の義務として行っていました。

このように、持ちつ持たれつの健全な人間関係を日頃から築くことが、全体の仕事のしんどさを軽減する方法なのだと思います。

家庭との両立が難しい

前述のスケジュール例のように、長時間労働になりがちなウェディングプランナーの仕事。

家庭との両立を継続することが難しいことから別の仕事へ転職するケースも多いのが実情です。

一方で、時短勤務をしながらママさんプランナーとして活躍している方もたくさんいらっしゃいます。

マーケティングや企画職に部署を異動することで結婚式に携わっている方もいます。

ここは就活・転職活動をする前の事前リサーチが重要な部分です。

ウェディングプランナーがしんどいと思ったら

ここまでウェディングプランナーが激務だと言われる所以を、精神面・体力面のそれぞれから10の観点で述べてみました。

実際に今、ウェディングプランナーとして働いているものの「辛い・しんどい」と感じた場合の対処法を書いてまとめとしたいと思います。

結論、しんどいと感じる理由が、以下のような「自分では変えられない要因」なら転職も少しずつ検討してみることをおすすめします。

・結婚によって住む場所が変わる
・理不尽な人間関係に耐えられない
・昇進しても給与が上がらない
・実際に体を壊してしまった

このような理由の場合です。

すぐに職務経歴書を書いて、求人応募をする必要はありません。

まずは「転職ってどんな風に進めればいいんだろう?」と、現職以外に視野を広げることからスタートすれば大丈夫です。

反対に「自分自身の力不足で逃げ出したいだけかも…」のように、まだ変えられる余地があるなら「現職でもう一踏ん張りできないか?」と再考してみてください。

この記事がウェディングプランナーの働き方に不安を感じる方や悩みを抱える方にとって少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。