『転職の思考法』から学ぶ、市場価値を高める3つのポイント【誰でも再現可能です】

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つるさき
つるさき

ウェディングプランナー(約6年間)からIT企業へ未経験からの異業種転職を成功させた実体験をブログやSNSで発信しています。

「あの人は市場価値が高いから、転職もうまくいくんだろうな…」

「自分の市場価値ってどうやって高めればいいんだろう…」

そんな風に、転職シーンでは何かと「市場価値」という言葉が使われますが、市場価値が高い人とはどんな人?と聞かれてスパッと答えられますか?

なんとなく、希少性の高い人材=市場価値が高い…?てこと?

転職ビギナーだった5年前の私はぶっちゃけ答えられませんでした。。

自分の現在地・市場価値がどのような状態であるかを知ることは、あなたの転職活動を成功に近づけます。

そこで、転職本として大ベストセラーである北野唯我氏の著書「転職の思考法」から、市場価値を高める方法にフォーカスした解説記事を書きました!

ただの書評ではなく、市場価値を高めるキャリアの考え方や具体的なオススメ業界の紹介もしています。

「転職しようかな…」と一度でも考えたことがある方にとって、参考になる考え方を解説していますので最後までご覧ください!

早速、結論です!

市場価値の高め方とは?

・市場価値は(1)技術資産(2)人的資産(3)業界の生産性の3つで決まる

・20〜30代は技術資産の獲得を最優先しよう

・ただし生産性の低い業界を選ぶと市場価値は高まらない

初めての転職活動を迎える方にとっては、上記3点をまず理解しましょう。

「よし、市場価値をあげよう!」と思っても、具体的に何をすればいいか分かりにくいですよね?

この『市場価値』という言葉を「技術資産・人的資産・業界の生産性」の3つの要素に切り分けて考えると、今の自分にあるもの、足りないものが自然と見えてきます。

市場価値の観点では、おそらく現役のウェディングプランナーさんは5年前の私と似た結果になるはず。

最後に具体的なアクションプランやおすすめの業界などを紹介しますので、私の事例とあなた自身とを照らし合わせながら最後まで読み進めてください。

市場価値はだれでも戦略的に高められる

まずはじめに、市場価値は「正しい判断軸」さえ手に入れれば、誰でも確実に高めることができます。

私自身、1回目の転職をする前に本書を読んだのは正解でした。

筆者のキャリア変遷

1社目:ブライダル事業会社

2社目:プログラミングスクール運営会社

3社目:業界特化型SaaS事業会社

上記のように、2社目以降はプログラミングやSaaSなど成長産業にキャリアの軸をずらしています。

その結果、私の市場価値は上がりました。

年々、転職サイトからスカウトメールが届きやすくなったのです。

これは私自身のスキルや能力が上がったわけではなく、意図的に市場価値が高まりやすいポジションを狙って転職活動を行ったからです。

では市場価値が高まりやすいポジションとはどういったものでしょうか?

前置きが長くなりましたが『転職の思考法』では市場価値は3つの要素によって決まると説明しています。

市場価値を決める3要素

先述の通り、市場価値は(1)技術資産(2)人的資産(3)業界の生産性の3要素だと述べています。

また、市場価値が高い人材であるためには上記のうち2つ以上は満たしている必要があるとのことです。

結論、1回目の転職を決意した頃の私は0.5 / 3くらいの市場価値だったのではないでしょうか。苦笑

それぞれ詳しく解説します!

技術資産

技術資産とは言葉の通り、あなたが有する技術やスキルそのものを指します。

技術と聞くと、資格やプログラミングなどの専門スキルを思い浮かべるかもしれませんが、それは技術資産の一部に過ぎません。

本書ではその技術資産を「専門性」と「経験」の2つに分解しています。

専門性

ここでの専門性とは職種に近いイメージです。

専門性の一覧

法人営業、個人営業、マーケティング、会計・税務、プログラミング、デザインetc…

このように、現在の職種に紐づくスキルなどが専門性にあたります。

ウェディングプランナーの場合はこのような感じでしょうか。

ウェディングプランナーの専門性

個人営業(反響型、無形商材、有形商材)、マーケティング、営業企画など

現場のプレイヤー一筋の方はマーケティングや営業企画などの専門性は持ち合わせていないかもしれません。

ちなみに私は素人に毛が生える程度のマーケ経験、営業企画経験でした。

なので5年前の私が持ち合わせていた専門性は「個人営業」のみです。

このような形で、現在の職種を通じて獲得した専門的なスキルが、技術資産の内の専門性にあたります。

経験

続いて経験についてですが、こちらは専門性とは反対に、職務に紐づかない技術を指します。

経験の一覧

事業部長の経験、子会社の経営、プロジェクトマネージャーの経験、チームリーダー経験など

要するにチームを率いたリーダー経験・マネジメント経験などがここに該当します。

5年前の私の場合

チームリーダー経験(5名前後のプランナーチーム)

子会社の新規プロジェクトの立ち上げ経験

このような感じです。

なお、専門性も経験も、他の会社では展開できないスキルや経験であればそれは技術資産ではありません。

あくまでも他社・他業界で使える技術として積み上がっているから資産と言えるため、くれぐれもご注意ください。

また、社会人2-3年目の方はリーダー経験がないと不安になるかもしれません。

でもご安心ください。

第二新卒の転職市場では、マネジメント経験は必須ではありません。

そもそも専門性の高い人にしか、希少性の高い経験を積む機会は回ってこないのが実情です。

「20代では専門性を、30代では経験を獲得しよう」と本書では書かれている通り、まずは若いうちに武器となる専門性を身につけて、30代に経験を獲得できるようにしていきましょう。

人的資産

どの業界にも人脈で仕事を引っ張ってこれる人がいます。

その人がリーダーだからと動いてくれる社内の人がいたり、指名で仕事をくれるクライアントなど。

そういった繋がりこそが人的資産です。

これは歳をとるにつれて重要度が高まりますが、人的資産が価値を生み出すのには時間がかかります。

残念ながら、5年前の私には人的資産などありませんでした。

40代以降は人的資産が極めて重要になるため、市場価値の高い40代を作り出せるかは20〜30代の自分次第です。

業界の生産性

最後、業界の生産性とは、その業界にいる一人当たりの粗利益の大きさを指しています。

一人当たりの粗利益が大きい(=儲かってる)と、以下のような好循環が生まれます。

儲かってる業界の好循環

(1)事業で儲かる=利益が生まれる

(2)事業成長のための積極的に投資が行われる

(3)新規事業や新しい業務の機会が増える

(4)新たなポジションが生まれる

(5)他人が経験していない専門性や経験を獲得できる

(6)市場価値が高まる

このような流れです。

そのため「急成長市場、マーケットで働いた経験があるだけで市場価値は上がる」と本書では述べられています。

で、これは間違いない真実であると私の実体験からも断言できます。

成長産業で働いた経験があるかどうかで、転職市場からの見られ方が全く変わってきます。

私はこれまで2回の転職を経験していますが、SaaSという急成長マーケットでの勤務経験や、カスタマーサクセスというこれから伸びる職種経験をしました。その結果、様々な企業様から中途採用のスカウトをいただけるようになったからです。

では、業界の生産性が高いどうかはどのようにして見極めればいいのでしょうか?

こちらは結論、その業界の給与水準に注目してください。

例えば業界の生産性が低い事例として、本書中にブライダル業界が取り上げられています。

(詳しくは本書をご参照いただきたいのですが、くれぐれもブライダル業界を否定されている訳ではありません)

ブライダル業界は労働集約型産業の一つで、ビジネスモデル上、利益率は高くありません。

またtoCビジネスのため長時間労働にもなりやすい構造です。

しかし、そのブライダル業界と同様に、労働時間が長く顧客からのプレッシャーが大きな産業の一つに金融・保険業界がありますが、以下のように給与水準はブライダル業界よりも高いのです。

給与水準

金融・保険業界:620万

ブライダル業界:432万円

このブログはブライダル業界から他業界への転職を目指す方にご覧いただいていますので、転職を通じて市場価値をより向上させたい場合は、その業界は儲かってる業界か?給与水準は高いのか?といった観点で業界選びをしてみてください。

20〜30代のうちに得ておきたい専門性や経験を獲得するチャンスが転がっている業界へポジショニングしていきましょう。

マーケットバリューのおさらい

冒頭で、5年前の私の市場価値は” 0.5 / 3 “くらいと述べました。

ここまで述べてきた3つの要素と照らし合わせながら当時の私を振り返ってみます。

(1)技術資産_専門性

反響型個人営業の専門性はある。また無形商材を扱っていたため一定の専門性は身についていた。

一方で転職市場における評価としては、

「反響営業より新規開拓営業」の方が評価され、「個人営業より法人営業」の方が評価される。

(有形商材よりは無形商材の方が難易度が高いため評価されやすい)

このことから、法人営業の経験者より市場価値は劣ると自己評価した。

(1)技術資産_経験

新規プロジェクトの立ち上げ参画や5名程度のチームリーダー経験あり(約2年半)。

職務経歴書に「新規プロジェクト立ち上げ経験あり」と書くことで「なんか凄そう」と思ってもらえるのでは?と思い自身の市場価値を0.5と評価(専門性に優位性がなかったため0.5に)。

(3)人的資産

当時28歳時点で名指しで仕事をくれるクライアントなどいなかったため、人的資産は0。

(3)業界の生産性

先述の通り、衰退産業の一つであるブライダル業界に属していたため、業界の生産性も0。

この自己評価の通り、1回目の転職(当時28歳)ではことごとく書類選考で落ちました。

また面談でも、ブライダル業界に詳しくない採用担当者さまへ自分のキャリアや実績、スキルを伝えることにも苦労しました。

転職に対する解像度が上がった今の私のまま、5年前に戻れるとしたらどんな業界を2社目に選んだか?をご紹介します。

ブライダル業界経験を活かした転職先の選び方

結論、人材業界を目指します。

その理由には、以下のような理由が挙げられます。

2社目に人材業界を選ぶ理由

・市場価値の高い専門性が身に付く

(無形商材の法人営業、場合によっては新規開拓の経験)

・業界特化型の人材紹介会社などであれば成長産業に携わることができる

(エンジニアや医療、介護、SaaS業界など)

・未経験でも採用されやすい

(多くの元ウェディングプランナーの採用実績あり)

・いろいろな業界や事業課題を知ることができる(主にRA職)

1番のポイントは「元ウェディングプランナーの転職実績がある」のと、「未経験者の採用に寛容である」といった2点です。

すでに「ウェディングプランナー経験者の人って活躍してくれるよね」と実績があるため話が通じやすいんですよね。

時には転職希望者の背中を押す強さも求められますが、不安を抱えた求職者に寄り添うホスピタリティやコミュニケーション力など、すでに土台が築かれているため教育コストもあまりかからないのだと思います。

この辺りは、実際に人材業界へ転職をした知人が私の周りだけでも数名いるので、いずれ取材した記事をアップできればと思います。

ちなみに、書類選考で落ちまくった私は、当時の自分の市場価値を見誤っていたと言えます。

転職市場では評価されにくいキャリアだったにも関わらず、飛び地すぎるSaaS業界やマーケティング系の会社をメインに受けていました。

しかも28歳と、若いとは言えない年齢でです。であれば第二新卒などの未経験者を採用しますよね。

人材会社だけが唯一の正解ではありませんが、ぜひセカンドキャリアの選択肢として参考にしてみてください。

とはいえ、人材業界や私が提案するキャリア戦略がオススメできないケースもあります。

人材業界を選ぶデメリット

以下のような方は人材業界はオススメできません。

市場価値の向上など、仕事にそこまで求めてない人

この場合、当たり前ですけど人材業界に絞る必要はありません。

各々、優先事項は変わるはずなのでご自身の判断軸に沿った選択をするのが良いでしょう。

ただしキャリアにおいても「大は小を兼ねる」ことを知っておいてほしいです。

市場価値が高ければキャリアの選択肢は広がりますから。その上で敢えて仕事にこだわらない選択をすることだって可能です。

「選べるけど選ばない」のか、「それしか選べないのか」は大きく違いますからね。

そこは慎重に向きあるべきだと私は思います。

長時間労働はしたくない人

正直、人材業界は長時間労働になりやすい業界の一つです。

転職希望者の対応をするCA(キャリアアドバイザー)の場合、そのお客様の仕事終わりが最も連絡がつながりやすいタイミングになります。

つまり朝や夜、休日などです。

そこに合わせて動く必要は一定出てくるため、ウェディングプランナー時代と似た働き方になる可能性は高いです。

また、そもそも人材業は資本金が500万あり、資格免許を取得すれば誰でも開業できる参入ハードルの低い事業でもあります。

例えば人材紹介会社(転職エージェント)は1.5〜2万ほど、人材派遣会社などを含めると4万社前後あると言われています。

日本国内のコンビニの数が5~6万件とのことなので、人材会社がいかに多いかわかるでしょう。

つまり競争が激しい業界のため、労働時間も含めブラックな企業に間違って入社してしまった…なんてことだけは気をつけてください。

今回はベストセラー本の『転職の思考法』から、市場価値の高め方にフォーカスして業界選びの方法やオススメの業界を紹介しました。

なお、以下の記事では『キャリアロジック』という書籍を用いて転職を通じて給料をアップさせる方法について解説しています。

年収が低くて困っている人はぜひそちらもお読みください。