【年収ダウン】ブライダル業界から他業界への転職は要注意【キャリアロジック / 書評】

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今回は「すべらない転職エージェント」で有名な末永雄大さんの著書『キャリアロジック』をご紹介します。

いまブライダル業界で働いていて

・いつまでこの給料で働き続けるんだろう…
・せめて
同世代の平均年収くらいは欲しい…
・でも転職したら給料が下がりそうで不安…
・大した実績やスキルもないし転職できるのか…

ぶっちゃけ、このような年収に関する悩みを抱えている人は当記事を最後まで読んでみてください。

本書を読み進めれば、これらの悩みが解決できるでしょう。

反対に、転職や年収アップのコツについてしっかりと情報収集をせず、闇雲に転職を行なってしまうと年収を下げることにも繋がりかねません。

このキャリアロジックという本は就活・転職前に読んでおきたかった、そんな風に思える一冊です。

私は本書を読む前に転職をしたのですが、幸い、著者が提唱しているロジックに則って転職をしていたため年収は100万円近く上がりました。

そんな実体験からも再現性が高い方法であると確信しています。

よし!しよう!と思って、すぐに転職できるわけではありません。

まだ本格的に転職を考えていない方も、少しでも興味が湧いたら最後まで読んでみてくださいね。

キャリアロジックはどんな人におすすめ?

まずはじめに書籍の簡単な紹介をします。

キャリアロジック著者の末永雄大氏はアクシス株式会社の代表取締役で、人材紹介会社を経営されています。

リクルートで企業の中途採用支援を経験したのち、サイバーエージェントを経て2012年に独立したとのこと。

自身も転職エージェントとして、主に20代の若手ビジネスパーソンに対して転職支援をしている立場から「キャリアにおける勝ちパターン」を赤裸々に語ってくれています。

・現状のキャリアに満足していない
・もっと年収を上げたい
・市場価値の高いキャリアを築きたい

上記のように、事実や論理に裏打ちされた堅実な方法によってキャリアチェンジしたい人には必見の内容です。

なぜなら一歩一歩堅実にキャリアを築く方法や考え方が記されているからです。

「どん底人生から一発逆転ホームランを打つ秘訣!」が知りたい方にはおすすめしません。

キャリアロジック 書評

さて、本書キャリアロジックから以下3つをピックアップして紹介します。

①転職市場は出来レース

②ファーストキャリアは「無形商材×法人営業」がおすすめ

③ベンダーの仕組み、ロジックを理解しておく

最後に、このブログの読者に向けてブライダル業界出身者にとって再現性高いキャリアロジックをご紹介して締めたいと思います!

転職市場は出来レース

本書冒頭に出てくる「転職市場は出来レース」というセンセーショナルな内容。いきなり現実を突きつけられます。

これ要するに、転職可能な企業やその求人内容・年収レンジは「現時点での経験」と「年齢」によって大方決まるということです。

転職は経験と年齢の掛け合わせで大体決まる

転職市場に詳しい人はこのルールを熟知しているため、末永氏はこれを「出来レース」と表現しているのでしょう。

例えば、以下のAさんとBさんでは転職市場においてどちらの方が評価が高いと思いますか?

転職 キャリア 市場価値

Aさん:広告代理店でアカウントプランナーを6年経験 / 年齢28歳

Bさん:家具の小売店で店長を10年経験 / 年齢32歳

答えはAさんのキャリアです。

なぜならAさんの方が、転職市場でより評価されやすい実務経験を有しており、かつ年齢も若いためです。

詳細は後述しますが、このように経験と年齢の掛け合わせによって転職可能なオファー内容が決まっていきます。

しかし希望を捨てる必要はありません。

逆に言えば、20代のうちから将来の目標を明確にして、そこから逆算した経験、スキルを蓄積し、戦略的に転職していけば、理想の仕事に就くことも可能なのです。

本書でこのように書かれている通り、転職市場のルールを理解すれば、どのような道筋でキャリアを歩めば良いかは見えてきます。

先ほどのAさんはなぜBさんより高い評価を得られたのでしょうか?

ファーストキャリアは「無形商材×法人営業」がおすすめ

本書ではファーストキャリアで無形商材を扱う法人営業職をおすすめしています。

この意見は私も賛成です。

ウェディングプランナーから2回の転職を経て「無形商材×法人営業」にキャリアチェンジした実体験からもそう言えます。

その理由は以下の3つです。

(1)市場価値が高まりやすい
(2)年収アップしやすい
(3)意外と未経験転職しやすい

それぞれ詳しく解説していきます。

市場価値が高まりやすい

市場価値が高まりやすい

そもそも無形商材とは、広告代理店や人材紹介会社、Webマーケティング、ITシステムなどを指します。

一般的に「無形商材×法人営業」→「有形商材×法人営業」→「無形商材×個人営業」→「有形商材×個人営業」の順で営業の難易度が高いとされているため、その実務経験があるだけで転職市場での価値が高まります。

先ほど例に挙げたAさんは広告代理店で「無形商材 × 法人営業」だったのに対し、Bさんは「有形商材 × 個人営業」でした。

営業難易度の高い環境での実務経験があること、これがAさんの方が高い評価を受けた理由だったのです。

企業は限られた時間の中で求職者を見極める必要があるため、これまでにどのような実務経験をしてきたか?をものさしにして判断せざるを得ません。

本書でファーストキャリアに「無形商材 × 法人営業」おすすめしている理由は、上記のロジックからその後のキャリア構築がしやすいからです。

実際に私もウェディングプランナーをしていた頃と比べ、今(2-3年ほど法人営業を経験)の方がスカウトメールが大量に届くようになりました。

年収アップしやすい

給料は会社の利益から支払われます。

そのため、年収を上げたいのならば利益率が高い業界や会社に転職することが欠かせません。

「無形商材×法人営業」の場合、企業向けの商材は顧客単価が高い傾向にあり、かつ無形商材は在庫を持たないため利益率は高くなります。

その一方ウェディング・ブライダルの場合、利益率は高くありません。

商材こそは無形ですが労働集約型で人件費や土地代などの固定費に掛かる費用が大きいためです。

転職初心者の場合、スキルや実力=年収と思いがちですが実際は年収は業界・ビジネスモデルと深く関係します。

意外と未経験転職しやすい

無形商材だからといって、ウェディングプランナーから未経験でWebマーケターに転職することはほぼ不可能でしょう。

しかし、未経験でも転職しやすい業種があります。その1つが営業職なんです。

実際に、ウェディングプランナーから未経験で広告代理店や人材紹介会社、ITシステムなどの法人営業職にキャリアチェンジしている事例は数多くあります。

私自身、「自分の市場価値なんて…」と絶望していただけに、未経験から法人営業のキャリアに潜り込めたことで随分と自信が持てるようになりました。

ベンダーの仕組み、ロジックを理解する

ここまで読み進めていただくと「いつまでに」「どんな実務経験」をしたのかによって年収や市場価値が決まることが理解できたと思います。

最後は、転職の際に利用する会社やサービスのロジックを理解することで、実際のアクション(=転職活動)を起こせるようにしましょう。

転職エージェント

人材紹介会社とも呼ばれます。企業と転職者をマッチングさせることで仲介売上を得ています。

その仲介売上は、内定した人材の年収の30%ほどを手数料としてもらっています。

転職希望者は、無料で転職エージェントを利用できます。これは企業側から仲介手数料を受け取るビジネスモデルだから可能になっています。

このことから決まりやすい求人を紹介し、効率よく決定者を増やして仲介手数料を得ようとするエージェントも出てきます。

当然ボランティアでエージェントをやっているわけではありませんので、転職希望者側はそのような視点を持ってエージェントを活用することが大切です。

エージェントに強く勧められて、当初描いていたキャリアと違う選択をしてしまった…なんてことが無いように気をつけましょう。

求人サイト

求人サイトは、求人広告の掲載費用を企業からもらい、求人を掲載しています。

ブライダル業界で働く方ならピンとくるかもしれませんが、こう言った媒体掲載は追加でオプションをつけるなどして自社の求人広告を目立たせることが可能です。

それに釣られて本来の自分のキャリア戦略と異なる求人に応募し、転職してしまう可能性もあるようなので注意が必要だと述べています。

口コミサイト

最後はオープンワーク転職会議などの口コミサイトについてです。

会社の口コミを閲覧する場合は、現職の口コミを書いて投稿する必要があります。

口コミを書く人は転職・退職を検討している人がほとんどのため、どうしてもマイナスな内容に傾きます。

また数年前の古い情報や、大きな企業のある部門・部署に限った内容について言及している可能性もありますので、あらかじめ偏りのある投稿内容であることに留意しながら口コミサイトから情報収集することをおすすめしています。

【まとめ】年収アップしたいプランナー向けキャリア

ここまで、個人的に大切だと思った3つのポイントを本書キャリアロジックからピックアップしてご紹介してきました。

端的にまとめると

①転職市場は出来レース
→現時点の経験と年齢で求人内容は決まる

②ファーストキャリアは「無形商材×法人営業」がおすすめ
→市場価値が高まりやすい
→年収アップしやすい
→意外と未経験転職しやすい

③ベンダーの仕組み、ロジックを理解する
→エージェント、サイト、口コミに隠されたロジックを理解し流されないこと

このような感じですね。

それでは最後に、今ウェディングプランナーをしていて、転職によって「年収アップ」を1番に叶えたい人に向けたキャリアの提案をします。

①人材紹介会社のRA職に転職する

②実務経験を3年積む

③3年後、人材紹介業 or 他業界転職するかを決める

この3ステップをおすすめします。

ポイントは1回目の転職で年収アップを目指さないことです。

②人材紹介業で経験を積んで、③さらなる年収アップを目指すようなら2回目の転職を視野に入れること。

これが転職を通じて年収アップを果たすのに、最も再現性の高い方法であると考えます。

繰り返しますが「年収アップ」を1番に叶えたい人の場合は、この方法を実践してみてください。

人材紹介会社のRA職に転職する

RAとはリクルーティングアドバイザーの略です。主に求人募集を行う企業側の営業が担当業務になります。

人材紹介会社の規模によっては、転職候補者側のCA(キャリアアドバイザー)とRAを両方行う両面型の企業も多いです。

両面型の人材紹介会社でも構いません。RAか、両面型の人材紹介会社に転職がおすすめです。

先にあげた「無形商材×法人営業」をする3つのメリットに加えて、ブライダル業界出身者ならではのおすすめ理由がさらに3つあります。

①ブライダル業界からの転職者実績が多い
②給料アップ or 現状維持での転職が可能
③他業界に詳しくなれる

仕事のやりがいも、業務の親和性もブライダル経験者はマッチしやすいのでしょう。元ウェディングプランナーのCA・RAっていっぱいいます。私の周りだけでも3人います。

未経験から法人営業職に入り込む間口が広いのが1つ目の理由です。

2つ目は、給料レンジが現職以上になりやすいことです。

ブライダル・ウェディングプランナーの仕事は社会貢献度が高い仕事である一方、転職市場ではあまり高く評価されません。

そのため給料が下がる or あまり上がらないケースが多いです。

ですが一定規模の人材紹介会社に転職できれば、それだけで給料アップすることも難しくありません。

最後のおすすめ理由は、仕事を通じて他業界に詳しくなれる点です。

おそらくこれまでブライダル一筋でやってきた方は、他業界に関する情報をほぼ持っていないでしょう。

それをRAを通じて様々な企業や仕事について詳しくなり、自分自身のキャリア構築に活かすのです。

実務経験を3年積む

人材紹介会社は市場価値があがりやすいとお伝えしましたが、手放しで自分の価値が上がるわけはありません。

晴れて転職が成功したら、与えられたポジションで最大の成果を残していきましょう。

3年ほど目一杯実務経験を積めば、ある程度チームマネジメントを任される立場になったり、社内でも実績を残していることでしょう。

そうなればさらに3年後、「リモートワークで働きたい」「もう少し年収を増やしたい」などの違った希望を転職を通じて叶えることができるかもしれません。

人材紹介会社への転職が叶ったら、3年ほど成果を出すことに向き合ってやり切りましょう。

3年後、人材紹介業 or 他業界転職するかを決める

前述の通り、仕事を通じて魅力的な業界や会社が見つかったり、働き方に求める新たな希望が生まれたら2回目の転職を考えてもいいかもしれません。

市場価値が高まりやすい実務経験や、成果を残すことができれば企業やエージェントからスカウトメールが驚くほど届くようになります。

私は「SaaS業界」の「カスタマーサクセス職」という、2023年時点では希少性の高い業界・業種を経験しているため、同様の人材を求めている企業様からスカウトメールが日々届きます。

ちなみに、SaaS業界やカスタマーサクセス職はリモートOKな場合も多いです。私は週3在宅、週2出社のスタイルで今働いています。

人材紹介会社でしっかりと成果を残しておけば、このような年収以外の条件面で希望ができた時に転職を活用して叶えることができます。

私自身、自分のキャリアに向き合う中で、希少性の高い実務経験を得たくて、社内で手をあげてカスタマーサクセスが経験できるポジションを勝ち取りました。

その結果、転職先に困らないだけの状況を作ることができたので、市場価値や希少性に着目したキャリア選択の重要性を実感しています。

今回は、すべらない転職で有名な末永雄大氏の著書「キャリアロジック」から、個人的に重要だと思った3つのポイントを紹介しつつ、ウェディングプランナーから「年収アップ」を理由に転職を希望する方に向けたキャリア戦略もご紹介させていただきました。

これは2023年時点での、個人的な最適解だと思っています。

また別のキャリア戦略があればその都度発信していこうと思います。

なお、自分自身の転職の軸が見つかっていない方は自己分析からスタートしましょう。

自己分析のやり方は以下の記事を参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

https://tsurukinson.com/weddingplanner-tenshoku